【報告】第298回 ねりやくステップアップ研修会

令和元年度 練馬区薬剤師会 在宅業務研修会 はじめのいっぽ

(第298回 ねりやくステップアップ研修会)

「みんなで考えるポリファーマシー」

(在宅医療・介護連携委員会提供)

 

JPALSコード:13-2019-0071-101

日本薬剤師研修センター:1単位

日時:令和元年7月23日(火)19:30-21:20

場所:練馬区立・区民産業プラザ(練馬駅北口複合施設 Coconeri内)3階 研修室1

参加者:47名(会員34名・非会員7名・実習生6名)

 

 

7月のねりやくステップアップ研修会は、在宅医療・介護連携委員会提供の在宅業務研修会「はじめのいっぽ」です。

 

毎年恒例の研修会なのですが、いったいいつまで「はじめのいっぽ」と題してやるのか?とのご意見もいただいております。

実は、永久に「はじめのいっぽ」でもいいかなと、回数を重ねるごとに感じ始めています。

それは、いつもそのような“心持ち”でいるべきであるという想いと、どんな患者さんとも、必ず“はじめのとき“があるからです。

そのご縁から、すべてが始まるからです。

 

そんなわけで、今年も「はじめのいっぽ」のはじまりはじまり~!

 

 

開会の辞は、今期より初めて当委員会の担当になった小田副会長でした。

副会長自身も目下、勉強中とのこと、今後の副会長に大いに期待しましょう!

 

 

 

次に、今回の企画を提案した張本人、會田よりスモールグループディスカッションと課題にした事例の説明をさせていただきました。

 

大切なことは、「正解はない」「数を減らせばいいというものでもない」「生活を含む全体を見回す」ことです。

今日のゴールは、「処方提案」「生活支援でできることはないか?」のふたつのみ!

 

 

さあ、いよいよ討議開始です!

最初に、自己紹介(所属とマイブームを言う)、役割決めです。

 

スモールグループディスカッションでの研修会が初めてというわけではありませんが、どうしても戸惑うもの…時間が経つにつれ、患者背景、病歴、検査値をもとに、突っ込みどころ満載の処方箋にみんなで取り組んでいきます。

 

 

 

各グループには、地域で活躍する薬局の薬剤師、そして実習生、さらに病院勤務の薬剤師の先生方も加わっています。

 

それぞれの立場から、多様な視点での意見が飛び交います。

 

処方提案の形がなんとなく見えてきたころ、ベテランケアマネジャー渡辺健一氏の登場です。

ケアマネジャーがいつもどのようなところに着目して利用者さんの生活を評価し、支えているか、改めて学びます。

 

ご家族のみでなく、ご近所付き合いやゴミ出しなど、生活は生活でも、日々を生き抜くために必要な視点が、多くあることに気づかされました。

「健康長寿チェックリスト」で、要介護認定申請に手続きを通さずに、早ければ2日くらいで利用できるサービスもある、迷ったら、まずは地域包括支援センターを窓口に考えてよいというお話もいただきました。

そして、後半戦に入り、処方内容に加え、生活支援でできることも併せて探りながら、討議は進みます。

 

 

 

 

 

 

そして、とうとう60分の死闘の末の合同発表!

各グループ3分ずつです。

 

「前のグループで出た意見は言わない」のルールに則り、挙手で早い者勝ちという順番で、発表開始です。

 

ホワイトボードにそれぞれのグループの意見を書き出します。

“三人寄れば文殊の知恵“ではないですが、本当にいろんな意見がでました。

 

「一人暮らしで湿布ははれているのかな?」「そもそもこんなにたくさんの種類のめているの?」

「認知機能の問題がなければ、一包化はしないほうがいい?」などなど、これだけの薬剤師の頭脳が集まると、処方医もびっくりの提案が飛び出します。説得だって上手くいくはずです。

 

さらに生活支援へのご意見ですが、「これは介入のチャンス!」「やはり要介護認定を!」

「栄養面が心配だから配食は?」「家事援助でヘルパーさんを!」と、こちらも素晴らしい意見が多く出ました。

 

最後に、今期より当会の理事に就任された、練馬総合病院の薬剤科長、金内幸子先生より講評をいただきました。

 

 

「まさに、この処方提案から、ここからスタートですね!」とのお言葉があり、病院と地域の薬局の薬剤師同士が効率的に情報を共有し、それが患者さんのために活かされるネットワークづくり重要であると実感しました。

 

閉会の辞は、会長の伊澤からです。

これからの保険薬局の薬剤師の使命として、服用中の患者の体調を観察し、薬学的知見すなわち根拠をもって、処方薬の見直しをし、それを処方医にフィードバック、多職種と情報共有することにより、いわゆる「ものからひとへ」、患者本位の業務が生きてくるというメッセージがありました。

 

 

 

ポリファーマシーに関する研修会は、今後も定期的に企画していきたいと考えています。

場所を変え、メンバーや職種を増やし、事例は自らが提供し…というようなこともできればいいと想像しています。

 

是非、また皆で集い、意見を交わしましょう!

 

在宅医療・介護連携委員会

担当理事 會田 一惠

記事カテゴリ

過去の記事